以前、私が留学していた時のこと。留学先のドイツで、同年代の男女5人と友達になりました。みんなでドイツ近郊を旅行したりして、仲は深まり、思い出もたくさんできました。本当に青春の一ページという感じ。こんな楽しい日々が、ずっと続けばいいと願っていた頃……仲間の一人が日本に完全帰国することになり、とうとう別れの時がやってきたのです。私たちは、異国の地で出会い、たくさんの思い出を共有した記念に、何か形に残るものを作ろうと決めました。そこで作ることになったのが、オリジナルTシャツでした。絵の得意な友達がイラストを書き、パソコンが得意な友達がデータを作り、全員の共同作業で、人数分の、おそろいのTシャツができあがりました。みんなで行った旅行地や、それぞれの似顔絵が描かれた、世界に一つしいかないオリジナルTシャツ。できあがり、みんなで着てみた時は、涙が出てきました。そして、そのTシャツを着て、みんなで何枚も写真を撮りました。その後、一人また一人と留学を終え帰国し、私も2年前に帰国しました。日本の忙しい日々の中で、当時のことを思い出す機会は少なくなりましたが、何気ない日常の中で、ふと、ドイツの風景や仲間たちの笑顔が脳裏をよぎることがあります。そんな時、私はそっとクローゼットの引き出しを開け、あのオリジナルTシャツを取り出しては、頬ずりするのです。このTシャツは、あの頃の思い出の象徴として、私にとっていつまでも、大切な大切な宝物です。